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【WEB記事】慶応日本一へのキーマン 延末藍太 磨いた勝負強さ発揮(2023.08.18 神奈川新聞)

2023年08月29日

 第105回全国高校野球選手権記念大会の準々決勝で沖縄尚学(沖縄)と対戦する慶応。再臨した聖地で日本一に挑むキーマンを紹介する。(藤江 広祐)

 神奈川代表の慶応は3回戦で、広陵(広島)に延長タイブレークの末6─3で勝利し、15年ぶりとなる8強進出を果たした。5番の延末藍太は先制打に加え、十回にはリードを広げる殊勲打と2安打5打点。延末に始まり、延末が決めた激闘だった。

 「チームの中でも野球を理解している方」との自負がある。それは仲間も認めるところ。主将の大村は「延末は冷静に頭の良さで引っ張る副主将。森林さんからの指示にも『違うんじゃないですか』と言える」と厚い信頼を寄せる。

 高い打撃技術を持つ延末は今夏、決めていることがある。

兄に学んだポジティブ思考

 「狙っていない球を打って凡打になったら後悔する。狙い球とは違ったら2ストライクまでは空振りしても良い」。頭の中を整理して打席に立つことで、磨いてきた「甘い球を一球で仕留める」という勝負強さが発揮された。

 3兄弟の次男である延末には2学年上に兄がいる。横浜出身で現在は日体大でプレーする勧太。2021夏の甲子園に出場し、2回戦の広島新庄戦で代打として打席に立った。結果は三振。それでも、後続の緒方がサヨナラ逆転3ランを放って勝利した。「兄は『あれもお膳立てのうちだ』と言っていた。ミスをしても良い方向に転ぶことがある」とポジティブ思考を学んだ。

 考え方だけではない。延末が使うファーストミットは兄の横浜時代の同期、金井慎之介(東芝)から譲り受けたものだ。宮田知弥(明大)には木製バットをもらった。兄がつなげてくれたことで身近な存在になった。「レベルの高い人たちと話せてありがたい。常に高いところを見られる」と感謝する。

 「目標は日本一。残り三つしっかり勝ちたい」と延末。多くの経験を吸収し、柔軟な野球観を身に付けた分、思いも背負っている。(藤江 広祐)

 のぶすえ・あいた 3年。左投げ左打ち。182センチ、80キロ。東京・大鳥中(世田谷西シニア)出身。

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