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【WEB記事】慶応「メンタルチーフ」庭田芽青内野手 練習前の円陣提案(2023.08.16 神奈川新聞)

2023年08月17日

慶応6-3広陵(延長10回タイブレーク)

 16日に甲子園球場で行われた高校野球の全国選手権記念大会3回戦で、神奈川代表の慶応高は広島代表の広陵に延長タイブレークの末、6―3で勝利し、15年ぶりに8強進出を決めた。同高では2021年秋からメンタルトレーニングに力を入れており、各学年に「メンタルチーフ」と名付けた役職を設けている。3年の庭田芽青内野手は「レギュラーを取りたい気持ちもあるが、チームに対してできることを考えた」とチームのサポートに徹している。

 中学時代にメンタル理論に関する書籍を読んでいたことから、多少なりとも知識があった庭田。メンタルコーチとして招いた吉岡真司さん(61)の講習をチームで受けた後、「プラスになることが多かった」とメンタルチーフに立候補した。

「何のため」目的明確化

 吉岡さんと密に連絡を取り、「ビジョンセット」という話し合いを企画。庭田が選んだテーマに沿って選手たちで意見を出し合い、思い描くチームの理想像を共有した。

 「目標、KEIO日本一。目的、恩返しと常識を覆す」。ナインが練習前に行う円陣も、吉岡さんの指導を参考に庭田が提案したもの。実際に口に出すことで、「何のために練習をしているのか」という目的を明確にした上、脳に定着させる狙いがあるという。
 庭田は企業の大型ビジネスイベントに参加したため、数日遅れで来阪し、チームに合流。練習では積極的にポジティブな言葉を発し、イメージトレーニングの実施を率先して森林貴彦監督(50)に進言する。

 今年の慶応は試合で劣勢に立たされても、笑顔を絶やさず勝利を呼び込んできた。それは大舞台の甲子園でも存分に発揮されている。「自分から提案したことを認めてくれるチームはなかなかないと思う。すごく成長できた」。精神面の充実に大きく貢献する庭田は、試行錯誤する姿を受け入れてくれた仲間に感謝しながら勝利を見守っている。

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