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【WEB記事】大会屈指右腕から一挙6点 クーリングタイム生かした慶応(2023.08.19 神奈川新聞)

2023年08月29日

慶応7-2沖縄尚学

 大会屈指の右腕、「ミスターゼロ」こと沖縄尚学の東恩納に対し、五回までに7三振。だが一切慌てる様子はなし。打者一巡、一挙6得点の猛攻で103年ぶりに夏8強の壁を破るにふさわしい、慶応の逆転劇だった。

 140キロ台中盤のストレートと右打者の外角に逃げる低めのスライダー。東恩納は、森林貴彦監督(50)が「データはいろいろ集めたが、データ通りにいい投手だった」と認める出来だった。

ターニングポイントは
 チームがターニングポイントとしたのは、この夏から導入されている五回終了後の10分間の「クーリングタイム」。いったん引き上げたベンチ裏で、「第1試合は完敗。第2試合、頑張ろう」と指揮官。ナインは互いに「直球と変化球の両方を狙っている。もっと整理して」と確認し合った。

 「試合の流れを変える」とも言われるクーリングタイム。慶応は大阪入りしてからの練習でも、10分間を計測してシミュレーションするなど準備を整えている。

今日は高めのゾーンが広い

 六回1死満塁から走者一掃の逆転左中間二塁打を放った加藤は「(10分間で)いろいろと情報共有が出来た。自分は今日は高めのゾーンが広いと思っていて」と振り返る。狙い通り、初球のボール気味の高目のストレートを迷いなく捉えた。

 「丸田さんが(1死から)出塁して、自分の前の(渡辺)千之亮さんが四球を選んだのも大きかった。ストライクを取りにきたと思う」と加藤。東恩納の連投による疲労と球数も念頭に、「ジワジワ攻めよう」というのも、クーリングタイムで話し合った通りだった。

 目標の「KEIO日本一」まであと2つ。だが、勢いに任せず準備を尽くす姿勢は変わらない。加藤は「準決勝も、決勝の前の1試合。今まで通りにチャレンジしていく」と静かに意気込んだ。(和城 信行)

監督・選手ひと言

 慶応・森林貴彦監督の話 (先制2ランは)連打で攻め立てられるより、すっきりした。その後を抑えてくれて、5回2失点は上出来という感じで、チームが落ち込むことはなかった。

 慶応・大村昊澄主将の話 いろんな先輩方やコーチ、ベンチに入れない選手も含めて日本一だけを目指してきた。まだまだ道のりは長いと思うので、もっと思いを強くしていきたい。

 

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